「自分をしっかり持ってるんですね」
「会話のキャッチボールができる男性があまりに少ない」
という女性からの苦情を、ほんとうによく耳にします。
だいたい男は「オレ論」を語りがちなもので一方的に
演説をぶってしまってキャッチボールにならないことが多い
(「会話」ではなく「演説」型のスタイルの人が多いのです)
それは「すごーい」と言われたいのと
「オレは自分をしっかり持っているんだ主張のある人間なんだ」
ということをアピールしたいという男性心理の表れなのですが
一方的に聞かされるほうはたまりませんよね。
男性だって、こういう男性には閉口します。
相手が勘違い気味の「オレ論」を自分に酔いながらとうとうと語りだしたら
途中から聞くのをやめてしまうのも、あなたのメンタルヘルスにとっては大事かもしれません。
モンゴルの大草原にいることをイメージしながら
宇宙の流れに身を任せ雄大なる風のささやきのなかに
「オレ論」をとけ込ませてしまうのです。
そして、現実レベルでは
「へぇー」
「そうですか」
とー応坦づちだけは打っておいて最後に
「自分をしっかり待ってるんですね」
で締めくくる。
聞いてあげることももちろん大切ですが
あなたの心や体がまずはいちばん大事ですからね。
先日もフレンチレストランで歯医者さんらしき男性3人が
女性2人を相手に延々とオレ論を語っている現場に遭遇しました。
まずはワインのうんちくから始まって自分たちの大学受験体験談へ。
「このオレが、すべり止めで受けた○○大落ちたなんてギャグだよね〜、笑っちゃわない?」
のような、意味不明な自慢話で、そんなひとつも
おかしくない話で男たちだけでゲラゲラ笑っている。
そのうち最初は聞こえていた女性たちの相づちが
ほとんど聞こえなくなりました。
それでも男たちの「オレ話」は止まらないんですね。
振り返ったら女性たちは死んだような目をして黙々と鹿の肉を食べていました。
心の底から鹿と彼女たちに同情しました。
こういうときは聞いているだけで英語力がぐんぐん伸びる
「ヒアリングマラソン」のテープが流れていると思ってください。
男の「オレ論」を聞いているだけで男心がぐんぐんわかる。
「すごーい」という合いの手を入れるタイミングの練習にもなる。
どうせ聞かなきやいけないんだったら自分のレベルアップの
ために積極的にその場を活用してしまうのもひとつの手です。
しかしまあ、これだけいろいろなところで繰り返し繰り返し
「聞き上手な男はモテる」
と言われているにもかかわらず
男の「オレ論好き」は止まらない様子です。
私もつい先日
「人の心は心理学なんかでわかるものではない。オレは心理学なんかに頼らずに女性にモテてみせる」
というオレ論を、焼き肉屋で30分も聞かされました。
自分と目の前にあるカルビが心底かわいそうでした。
普通に会話ができる男性がいたら、それだけで貴重品と思ってください。