「やさしいね」

ではさっそく具体的なラベルを見ていきましょう。

まず「やさしいね」。

私の知人で夫婦関係が非常にうまくいっている女性がよく口にする言葉です。

「オレが荷物持とうか?」

なんて旦那さんがちょっとした気遣いを示すたびに、このひと言が出てくるのです。

傍で聞いていても

「これを言われたら弱いよなあ」

といつも思います。

具体的になにがどう「やさしい」のかよくわからなくても

とにかくこう言ってラベルを貼られてしまうと

「自分は女性にやさしくする人間である」

という自己概念ができてくる。

また、「やさしい」というほめ言葉の報酬がほしくて

無意識のうちにやさしい行動をとるようになる確率が高まるのです。

ですから、ぜひ祈にふれて

「やさしいんだね」

という簡単なひと言をあなたの彼や意中の人にかけてあげてください。

忙しいのに電話をしてくれた食事するお店を決めてくれた

トイレに行くとき荷物を持ってくれた駅まで見送ってくれたドアを押さえてくれた…。

「やさしいな」

と感じた瞬間にそれを意識的に言葉にして彼に

「やさしい人」

というラベルを貼ってしまうのです。

これはもう口ぐせにしてしまっていい言葉だと思います。

「誠実ですね」

「行動力があるね」

「頼りがいがあるね」

「包容力があるね」

などというのもよいでしょう。

「マメなんですね」は、

ちょっと軽蔑のニュアンスがあるので微妙かもしれません。

「繊細なんだね」も

シチュエーションによりけりです。

一緒に絵を見て「きれいだね」と言い合っているようなときなら

「感受性の豊かな人」

というニュアンスが伝わるのでOKですが落ち込んでいるときに

かける言葉としては「情けない人」というふうに取られてしまいますのでNGです。

他にもいくらでも使えますよ。

彼の者の恋愛話を聞いて

「彼女を大切にする人なのね」

仕事の話を聞いて

「きちんと努力する人なんですね」

「ずるいことができない人なんですね」

などなど、会話のなかでどんどんラベルを貼っていくこともできるのです。

私たちは心のなかで

「あっ、この人ってやさしいんだな」

と思っても、意外に相手には言葉にしてそれを伝えなかったりしますよね。

でも相手は超能力者ではないのですから、

それではなにも伝わらずなにも変わりはしないのです。

自分のためにも、相手のためにもぜひそんな素晴らしい

ラベルを相手に貼ってあげてみてはいかがでしょうか。



29.「陰で努力していそうですね」

目次














































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